むし探検広場
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1110. 4.16.2002 from M. さん 

 ずっと疑問でした。
 夏になると夜、ジーーーーーーーッと鳴く虫がいます。あれは、何と言う虫ですか?
 ちなみに、我が家では「ジージー虫」と言っています。また、教えてください。

園長:春から秋にかけて、夜、地中でジーーーーーーーーーーと鳴くのは、ケラです。(ただし、ジーーーー より、ビーーーー の方が近い感じです。)

 春から梅雨時にかけて、夜の草むらでジーーーーーーーーーーと鳴くのは、クビキリギスまたはシブイロカヤキリモドキ(いずれもキリギリスの仲間)です。

 こちらのサイトで鳴き声が聞けますので、いちど聞きくらべてみてください。
 ↓
 「虫の音world


1109. 4.16.2002 from ちょび さん 

 こんにちは、以前ミミズについて質問させて頂いた「ちょび」です。

 今回の相談は「犯人が虫か鳥かが分からない糞」のことなんです。

 家のベランダには今のところ植物は置いていないのですが、大体同じ場所に毎回糞がしてあるんです。
 狭いながらも洗濯の干し場なので毎回と言っていいほど洗濯物に付いて困っています。
 始めは鳥かと思ったんですが、独特の白さがなく特徴として

 大きさ・3〜5ミリで 、形・細長い
 色・濃い黄土色や焦茶
 その他・触った感触は柔らかめの粘土の様。
 鳥にしては水分が少ない?
 大きさからいっても「蛾?」とか「こうもり?」って思うんですが匂いも無く、毎回同じ場所ってのが気になります。

 また、上の方の植木が沢山あるベランダの柵が空洞なのも気になります。
 写真がないのでご苦労だとはおもうのですが宜しくお願します。

園長:ベランダの糞、はっきりとはわかりませんが、コウモリの仕業ではないかという気がします。
 特に怪しいのはアブラコウモリという種類です。アブラコウモリは、体長5cm前後の小さなコウモリで、人家の屋根裏などに好んで住み着き、別名イエコウモリとも呼ばれています。
 ベランダの上の方向のどこかにコウモリのねぐらがあるのかもしれません。
 コウモリの糞は黒っぽくて、においもあるはずなので、ちょっと合致しない点もあるのですが、もし糞の中身を調べてみて昆虫の死骸などが混じっているようなら やっぱりコウモリだと思います。


1108. 4.14.2002 from e-ちゃん さん 

 今日 知人の家で鉢植えされていた花(正確に名前がわかりませんが)を庭に地植えにしようと鉢をひっくり返したところ 何かの幼虫が20匹くらい出てきました
 画像を撮れば良かったのですが 引っくり返したところの土の中にもぐってしまいました
 不思議に思ったのが調度カブトムシの幼虫のような形をしているのですが足が6本昆虫のように体の前の方にあります
 カブトムシの幼虫にも足らしきものはあると思いますが短くて芋虫みたいですよね
 前の方に本当昆虫のようにあしがあります 体は半透明の白っぽい感じですが足と頭部は茶色です おしりの方は黒っぽいです
 ここは夏にはよくガとかもいますがガの幼虫は土の中にいないような気がするのですが何だと思われますか? 

園長:それは、たぶんコガネムシまたはハナムグリの仲間の幼虫です。
 地面に置いたときに、もっぱら腹ばいで脚を使って移動したらコガネムシ系、腹ばいで移動することもありつつ時にはあお向けになって背中の毛を立ててからだ全体を使って動くことがあるようならハナムグリ系です。
 どちらもカブトムシに近い仲間で、幼虫もカブトムシの幼虫を小さくしたような体型です。(カブトムシの幼虫にも体の前のほうにちゃんと6本のあしがあります)
 カブトムシの幼虫は腐葉土を食べますが、鉢植えにいる幼虫はおもに植物の根を食べて育ちますので、花壇にとっては害虫ということになってしまいます。

 ちなみに、ガの幼虫の中にも、昼間は地中に隠れているような種類がありますが、今回のはコガネムシorハナムグリで決まりだと思います。


1107. 4.14.2002 from 高石 さん 

 はじめまして 大阪の高石と申します
 最近 引越したのですがハイツの一階で一応庭があります
 庭にもみじの木が植えてあるのですが 木に無数の抜け殻のようなものが付いていました 父は植木屋ですがこれは何の虫か解らないそうです
 どちらかと言うと昆虫は大の苦手です
 ここはゴキブリもはじめ良く出ていましたので何の虫かとても心配です
 写真を添付しますので 何の虫か教えていただけますでしょうか?

 

 木には本当に無数についていたのですが全部とってしまいました
 良く見るとブロック塀にも付いていました
 害虫でなければいいのですが・・・
 申し訳ないですが教えていただけますでしょうか?

園長:これは「ヒロヘリアオイラガ」というガの(成虫が羽化したあとの)まゆだと思います。

 ヒロヘリアオイラガは、もともとは中国南部、イ ンド、ジャワ島などに分布する南方系のガなのですが、1960年代以降に日本中に分布を広げた帰化昆虫です。
 幼虫はさまざまな広葉樹の葉を食べるうえに乾燥に強いという極めて生活力あふれた種類で、気候の温暖化の影響もあってか、近年都会で急速に勢力を広げています。
 樹木を食害するという意味でも害虫ですが、幼虫は毒のある鋭いとげを持っているので、刺されると激しく痛むという害もあります。

 ただ、現在、大都会の公園、街路樹などで大繁殖していて、確かに まゆはそこらじゅうにひっついているのですが、そのわりに幼虫を見かけることはほとんどなく、実害について話題になることもあまりありません。‥ので、それほど心配することはないのかも‥。


1106. 4.14.2002 from ちりり さん 

 はじめまして!ちりりと申します。

 今、子ども達が、通称「ばななむし」をとるのに夢中です。
 今日は、24匹つかまえたよ・・!と知らせてきます。
 高い、木の葉にたくさん隠れているのに気づくと、ボールをはじめ、ばけつなんかも使って、投げつけバナナ虫を落として捕まえ様としています。

 このバナナ虫とは、本当の名前は何でしょう?生息地や何を食しているのかを調べて、子ども達とまたちがった捕まえる方法を楽しみたいと思います。

 特徴は、黄緑色でお尻の所が黒い、バナナが少しいたんだ時の姿に似ています。羽があり、蛍のような姿ににているかな。

 わかりずらいかなとは、思いますが、なんて言う虫かわかりましたら教えてください。私の持っている図鑑には、載っていなかったので・・・。

園長:バナナ虫というのは、たぶんこんなのですよね。

 

 これは「ツマグロオオヨコバイ」という虫です。ヨコバイの仲間は、セミに近い昆虫で、セミと同じように尖った口を持っていて、樹木や草の汁を吸って暮らしています。
 夏〜秋には、クズの群落にいっぱいいますが、今の季節だと、アジサイ、ブドウ、クワなどに群れていることがあるようです。
 夏には、灯火にもよく飛んできます。


1105. 4.14.2002 from みゃっこま さん 

 園長先生はじめまして。ニックネームを「みゃっこま」と申します。

 実は私、子供の頃は虫が大嫌いで、3歳の頃に山に出かけた折一人で遊んでいると突然火がついたように泣き出したので両親が駆け寄ってみると、腕にハエが一匹とまっていた...という逸話の持ち主です。
 「男の子なのにねえ...」という周囲のため息が聞こえてきそうです。
 昆虫図鑑のページをめくるのもいやだったくらいでした。

 ところが最近、なぜか虫に興味がありまして(いまだに触るのはニガテなんですが...)
 「むし探検広場」も楽しく読ませていただいていました。
 今回意を決して(?)メール差し上げることにしました。

 長い前置きになりましたが、さて、ここから本題を書かせていただきます。

 去年の夏長野県・軽井沢地方を旅行しました際、不思議な蛾を見つけました。
 夜は「ブロロロロロ....」という派手な音を立てながらゆらゆら飛び姿はそれまで見たことがないちょっと奇怪なもの。
 当然のように昼はじーっとしています。

 これは「コウモリガ」なのでしょうか。
 たしかにクリの木が生えているところでした。
 もしそうなら調べれば調べるほど害虫のようであり、幼虫が漢方の原料だともいうしなんだかミステリアスな虫ですが、今ひとつよく分かりません。
 ウェブサイトに画像が載っていたんですが、同じものなのかちょっと判別できませんでした。

 それでは失礼いたします。

  

園長:かなりインパクトありますね。
 あしの太さといい、腹部の長ったらしさといい、悪魔っぽい雰囲気といい‥ 何ともフシギなガです。
 これは、コウモリガの仲間のキマダラコウモリという種類だと思います。
 幼虫が樹木に穿孔して食害するので、果樹産業にとっては重要な害虫のひとつになっているようですね。


1104. 4.12.2002 from POO さん 

 はじめまして。
 いきなりですが、私ゴキブリが苦手で、見つけると何とかやっつけてしまいたいと思うのですが、たたくのも、捕まえるのもダメで・・・。それである日流しの中にゴキブリを見つけ何とかしなきゃと思い、食器用洗剤をかけてみました。洗剤をかけると滑るのでゴキブリは流しから上がれず、じたばたしてましたが暫くするととっても苦しそうにした挙句死んでしまいました。何故ゴキブリは洗剤で死ぬのでしょう?アブラムシとも言うぐらいだから洗剤には弱いのでしょうか?

園長:確かにゴキブリは、洗剤をかけると死んでしまいます。
 ゴキブリの体表は、水をはじく物質で覆われています。しかし、界面活性剤が主成分の食器用洗剤などをかけると、この物質は洗剤をはじくことができず、洗剤となじんでしまいます。それによって撥水性が失われ、体の表面にある呼吸をする穴(気門)がふさがって、やがて窒息してしまうのです。


1103. 4.11.2002 from なず さん 

 子供と海に行って、たぶん「いそがに」を捕まえてきたのですが、メスが卵をたくさん抱えているのですが、無事に産ませるにはどうすれば良いですか?水槽の中には、「やどかり」と「はぜ」みたいな魚がいっしょに入っています。

園長:イソガニを飼育下で産卵させて子供を育てるのはとても難しい、 というか、ほぼ不可能だと思います。

 イソガニの卵はメスのお腹で孵化し、満潮時にあわせてメスが幼生を海に放出します。幼生は、とても小さくて、早い話が動物プランクトンの一種です。海をさまよいながら植物プランクトンを食べて育ちますが、そのほとんどは魚などに食べられてしまいます。

 ということで、残念なのですが、無事に卵を(幼生を)産ませることも、生まれた幼生を育てることも、飼育水槽ではまずムリだと思います。


1102. 4.11.2002 from いけ さん 

 早速のお返事ありがとうございました。ヌカカらしき虫刺され発覚からほぼ10日経ちますが、いまだ痒みに襲われています。かきむしった所は引っ込むどころかプクッとした固めの発疹に変身してしまい、まだまだ道は遥か、といった感じです。

 私のいるアメリカ南部の町は、すでに日中の気温が摂氏で30℃を越すことがざらで、気分的にはもう完全に夏です。この温暖な気候のせいか、町を取り巻く自然が大変豊かで、私はこちらに来てから、生まれて初めて野生のタガメを見ました(大雨の翌日に歩道で死にかけてました)。田舎の出身なので子供時代は水生昆虫にかなり親しんでいたのですが、タイコウチやミズカマキリはいてもタガメやゲンゴロウは既に見ることはできませんでした。見かけによらず繊細な昆虫なのでしょうかね。

 ちなみに野生の動物も沢山おり、リスは毎日のように見かけますし、先日郊外を車で走行していたときには、鹿がこちらを向いていました。知り合いのロシア人は、アルマジロが道路を横断しているのを見たそうです・・・。

園長:タガメは、農薬などに弱い面があるのと、体が大きいだけに環境破壊が進むと有効な個体数を維持できなくなって減ってしまうんでしょうね。
 見つけられたのは、アメリカフロリダタガメあたりでしょうか。姿かたちは、日本のタガメととてもよく似ているようですね。

 いろいろな野生動物を身近な場所で日常的に見かけることができるのはとても素敵ですね。
 やっぱり「動物に注意!」の道路標識には、タヌキのかわりにアルマジロが描かれてあったりするんでしょうか!?


1101. 4.10.2002 from つるる さん 

 園長先生、先日はマイマイガの幼虫だと教えていただいてありがとうございました。園長先生だけでした。あの絵が”かわいい”とおっしゃったのは・・・会社でも家でも、あの絵を見せたら”気持ち悪い!”って言われてたのに。(笑)
でも、うれしかったです。

 すみません、また聞いてもいいですか?
 最近、暖かくなって蟻がたくさん見るようになりました。また、去年のことを思い出すとブルーになります。
 まだ今年は出てきていないんですけど、お風呂場に出てくるんです。初夏あたりから。夜、お風呂を沸かしに風呂場に行くと、蟻の大群がいて、何度びっくりしたことか・・・蟻って湿気があるところが好きなんですか?対策は有りますか?教えてください。宜しくお願い致します。(会社の人ですが、ポットの底に発見した!って人がいました。)

 追伸、3Fの部屋に蟻が入ってきたので、紙ですくって外に落としました。その時は何も思わなかったのですが、蟻はやはり痛いんでしょうか?地面に落とされて。

園長:アリは確かに湿っぽいところを好む傾向があるようです。
 (この件で思い出すのは、沖縄のあかみねさん発「電気ポット蟻地獄事件」です。)

 しかし、風呂場などでは、ふつうは遠出した数匹が見つかる程度だと思うのですが、「大群がいた」ということは、何かエサになるようなものが存在したのでしょうか‥。

 何がアリたちを呼び寄せたのかがよくわかりませんが、もしまた大群がいた場合は、その様子から呼び寄せの原因をつきとめ、その原因物質を取り除くことが先決だと思います。

 原因物質がよくわからない場合で、侵入口がだいたいわかるようなら、その周辺に、残留性の高いアリ用殺虫剤を塗っておくと効果はあると思います。
 巣退治用の殺虫剤で巣そのものにダメージを与える手もありますが、こちらは全面戦争っぽくて、あまりいい感じではないですね。

 食べ物を見つけたアリは、お尻の先から「道しるべフェロモン」を出しますので、一度たくさん侵入してしまうと、その年はアリの通り道が確立してしまって、何度も侵入することになりがちです。
 逆に言うと、去年侵入したからといって、今年もまた同じようになるとは限らないということでもあります。

 P.S.
 アリは、高いところから落ちても、たぶんほとんど痛みは感じません。
 体重があまりに軽いので、高さ50cmのところから落ちようが、5mのところから落ちようが、落下の衝撃は似たようなものだと思います。


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