太陽が好き、花が好き
 ふりそそぐ日射の真只中、アゲハチョウやシロチョウの仲間は、蜜を求めて、あるいは結婚相手を捜して、林縁を淡々と飛び続けていた。
 本州だと、だいたい出演者たちの予測がつくけれど、ここ沖縄ではそうはいかない。白いチョウにも、黒いアゲハにも、それぞれたくさんの種類がいるし、迷蝶の可能性もつきまとう。
 飛んでいるチョウを見つけたら、何はともあれ、追いかけてみることが先決。…しかし、次々に現れ、かつ延々と飛び続ける彼らにつきあっていたら、こっちの体力が持たない。
 荒れ地の花畑をスピーディーに飛び回るナミエシロチョウ(Appias paulina。奄美大島以南で見られる。
 おなじみ、ハイビスカスの花。これに、ブラック系のアゲハが飛んでくるところを撮りたかったのだが、結局、チョウが吸蜜するのは一度も見なかった。
 吸蜜するシロオビアゲハ(Papilio polytes。奄美諸島以南に分布し、沖縄ではもっとも普通に見られるアゲハチョウのひとつ。しかし、こんなに太陽光がきついのに、黒っぽいチョウが多いのはなぜだろう。
 こちらも 沖縄ではもっともポピュラーなアゲハのひとつ、ジャコウアゲハ(Atrophaneura alcinous。本州にも分布する種類だが、南国で見る方が、舞台設定に溶けこんで、とても自然な感じがする。