濃茶色地に青白い斑紋があるアゲハチョウよりも大きなチョウ。斑紋部分は半透明。胴体もまだら模様になっている。
平地から山地、高原まで広く見られ、都市部の公園に飛来することもある。初夏から発生するが、晩夏から秋にかけて見る機会が多くなる。
あまり羽ばたかずにふわふわと優雅に飛ぶ。移動性が強く、マーキング調査では数百キロも離れた場所で発見されることもある。本州の北半分や北海道では冬越しできず、毎年、暖地で発生したものが飛来するが、個体数は少ない。
幼虫の食草は、キジョラン、イケマなど、ガガイモ科の植物。
本土では幼虫で越冬するが、南西諸島では決まった越冬態はもたず、卵から成虫までのすべてのステージで越冬すると思われる。
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♀ : 飼育個体(大阪府泉佐野市産) 2016.5.10
高原に咲いたヒヨドリバナ(ヨツバヒヨドリ)で吸蜜するアサギマダラのメス。盛夏には、平地〜低山地で見る機会が減るが、山地や高原ではよく見られる。アサギマダラの「浅葱」は、青白い斑紋の色彩を、伝統色の呼び名で表したもの。
♀吸蜜 : 長野県諏訪市霧ケ峰 2010.7.28
♀吸蜜 : 長野県諏訪市霧ケ峰 2010.7.28
こちらはオス。後翅の肛角部付近に黒班状の性標があることでメスと見分けられる。
♂吸蜜 : 山梨県甲州市 2011.7.24
初秋の低山地で、アザミ類を訪れたアサギマダラのメス。
♀吸蜜 : 大阪府四條畷市 2002.9.25
晩秋に、都市公園に飛来したメス。ツワブキの花でゆっくり吸蜜していた。
吸蜜 : 大阪市西区靭公園 2005.11.8
吸蜜 : 大阪市西区靭公園 2005.11.8
飛翔するアサギマダラ。ゆったり、ふわふわと飛ぶのは、有毒であることを鳥などの天敵にアピールしているためと思われる。
飛翔 : 東京都あきる野市小峰公園 2007.10.10
飛翔 : 東京都あきる野市小峰公園 2007.10.10
アサギマダラの幼虫。終令幼虫の体長は、40mm前後。黒地に小さな白色紋と大きな黄色紋が並ぶ。胸部と腹端には各一対の突起をもつ。キジョラン、イケマ、トキワカモメヅル、サクラランなど、ガガイモ科の植物の葉を食べる。1年中見られるが、東京や大阪の近郊では冬場や春先に探すと比較的見つけやすい。
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幼虫 : 飼育個体(大阪府泉佐野市産) 2016.4.24
アサギマダラの前蛹。爽やかな淡緑色で美しい。
前蛹 : 大阪府泉佐野市 2016.4.19
アサギマダラの蛹。
蛹 : 大阪府泉佐野市 2016.4.19
羽化が近づいた蛹。翅の模様や複眼の色が透けて見える。
蛹 : 飼育個体(大阪府泉佐野市産) 2016.5.9
蛹 : 飼育個体(大阪府泉佐野市産) 2016.5.9
羽化したばかりのアサギマダラ。主が抜け出た蛹の殻は透明になる。
飼育個体(大阪府泉佐野市産) 2016.5.10
飼育個体(大阪府泉佐野市産) 2016.5.10