黒色地に白色の斑紋が散りばめられた翅をもつ大きなタテハチョウ。複眼は橙色で、口吻は黄色。
平地から山地まで広く生息し、都市部でも見られることがある。本州、四国、九州のほぼ全域に分布するが、北海道では分布が道南の一部に限られる。関東地方の一部地域では、外来種の
アカボシゴマダラとの競合による減少が懸念されている。
雑木林の上空や周辺を、時々滑空しながら軽快に飛ぶ。クヌギ、コナラなどの樹液によく飛来し、オスは地表で吸水することもある。
幼虫は、エノキ、エゾエノキなどの葉を食べる。
年2〜3化。幼虫で越冬する。
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ゴマダラチョウの幼虫(芋活.comへ)
♂ : 大阪府東大阪市 2011.6.30
クヌギの樹液に来たゴマダラチョウのメス。オス(上の写真)にくらべて翅が幅広く丸みがあり、白紋がやや発達する。
♀吸汁 : 大阪府四條畷市 2006.6.14
都市部の公園や寺社の境内など、身近な自然環境の小規模な雑木林などでもしばしば発生し、活発に飛び回って私たちの目を楽しませてくれる。ツートンカラーの色合いが印象的だが、とまって吸水などをはじめると、口吻が黄色いことに驚かされる。
♂吸水 : 大阪府東大阪市 2011.6.30
♀ : 京都府京田辺市 2017.7.20
♀ : 京都府京田辺市 2017.7.20
樹液の一等地を占領するオオスズメバチの目を盗み、へっぴり腰になりながら黄色い口吻を伸ばすゴマダラチョウ。
♀吸汁 : 奈良県生駒市 2014.5.29
ゴマダラチョウの幼虫。終令幼虫の体長は、40mm前後。緑色で、頭部に 先端が二股になった1対の長い突起をもつ。背部には黄白色の小突起が3対あるが、後方の1対は小さく、ほとんど消失する個体もいる。
エノキ、エゾエノキ、クワノハエノキなどの葉を食べて育つ。
年2〜3回発生する。冬期は茶褐色に変色し、食樹の根際周辺の落ち葉の裏などで休眠する。
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幼虫 : 大阪府四條畷市 2015.7.14