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 No.84 2014.4.29
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毎度毎度の発刊遅延で申しわけありません!
今号は春の話題の特集号なので、なるべく早く出したかったのですが…。
今から虫探検していただくには、ちょっと季節外れになってしまいましたが、
みなさんに萌えていただくのは来春のお楽しみ、ということで、
お許しくださいませ。


むし探検スペシャル

★★ 春蛾に萌える ★★★

みなさんは、春といえば、どんな虫探しをイメージされるでしょう。
ギフチョウに、ツマキチョウに、コツバメ… と、やはり可憐に舞う蝶たちの姿がまず目に浮かびますよね。
でも、春は、蛾の観察にとても向いた季節でもあります。
春蛾シーズンは、ほかの虫たちの出現よりも少し早く、早春のまだ肌寒いころから始まるので、ウズウズしている虫探検魂をいち早く開放することができますし、何しろ蛾は種類が多いので、近場の野山でも満足のいく観察が可能です。
そして、何より、春はまだまだ気温が低いので、虫の動きが不活発で、そのため、魅力的な蛾たちの素顔を、しっかり鑑賞することができるのです。
今回は、みなさんを、知られざる魅力に満ちた春蛾の世界にご招待しましょう。



3月半ばの雑木林。陽射しはだんだん強くなってきましたが、緑は少なく、虫たちの姿はまだあまり見つかりません。





それでも、時々姿を見せてくれる早起きの虫たち。
左上はキイロテントウで、右上がヒオドシチョウ
左下はオオヘリカメムシで、右下はビロードツリアブのペアです。




擬木柵の上にいたコミミズクの幼虫。木の枝にとまっているとまず見つかりませんが、こういう場所なら簡単に発見できます。




さて、落ち葉のうえに蛾がいました。キリガの仲間のアトジロキリガです。春には、たくさんのキリガたちの姿を見ることができます。夜は、馬酔木の花で吸蜜したりしていますが、日中は、灯火のまわりや、柵にとまっているのがよく見つかります。
そして、特に朝方は、気温が低いので、まったく動こうとしません。
それなら、ということで、もっと接近してみると…




とまっていた葉っぱを持ち上げて、顔のアップを撮ってみました。背中側から見ているだけではわかりませんが、すごくいい顔してますよねえ。
こんな調子で、いろいろな蛾の顔を拝見してみることにしましょう。




胸のあたりがもこもこ過ぎて、ほとんど球形になっているホソバキリガ




キリリと引き締まった顔立ちのカシワキリガ。このように触角が櫛状なのはオスです。




チャマダラキリガは、翅の模様がおしゃれです。




春の色白さん、2種。ハスオビエダシャク(左)とギフウスキナミシャク




そしてこれは、ハスオビエダシャクのアップ。




アトジロエダシャクの顔は、ちょっとイヌ系でしょうか。




一方、ネズミっぽいのは、シロテンエダシャク





脚が毛むくじゃらなので、絵になりやすいヒロバトガリエダシャク
上の2枚はメスで、下はオスです。




異形の春蛾、オカモトトゲエダシャク(左がメスで、右がオス)。なぜか、翅を扇子のように折りたたんでとまります。




ホシボシトガリバは、このようにとまっていると、「戦闘待機」みたいに見えますが…。




このとまり方だと、すっかりユルユルです。




サカハチトガリバは、背中の突起(毛束)がかっこいい。




ルリイロスカシクロバの体は、金青色に輝いています。




シロトゲエダシャクのメスは、翅がすっかり退化していますが、正面から見ると、口吻も退化してしまっていることがわかります。





季節が進むにつれて、こんな生き物たちも姿を見せ始めます。
左上はニホントカゲ、右上はニホンアマガエル、下はジムグリの幼蛇。




桜が咲き、楓が芽吹き、野山も、徐々に色鮮やかに。




葉っぱの先には、サクランボ色の幼虫が(アオシャクの一種)。

いろいろと楽しませてもらった春蛾のシーズンが終わり、いよいよ、本格的な昆虫シーズンの幕開けです。


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【発行者】 川邊 透

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