カナブン

甲虫目 カブトムシ亜目 コガネムシ科 ハナムグリ亜科
Pseudotorynorhina japonica
四角い頭部をもった、なじみ深い甲虫。緑銅色、黄褐色、緑色、茶褐色、赤褐色、濃藍色など、色彩変異がある。緑色の個体はアオカナブンに似るが、本種よりもアオカナブンのほうが上翅がより縦長であることや、左右の後脚の基節が離れる(アオカナブンでは接する)ことなどで見分けられる。
雑木林の林内や周辺で普通に見られ、都会の公園でも発生している。日中、活発に活動し、樹液に来たり、林の周辺を飛び回る。夜、灯火にもやってくる。自動車とぶつかって、道路で死んでいるのもよく見かける。
普通の甲虫は、後翅を広げて飛ぶためには、上翅(前翅)を立てないといけないが、カナブンやハナムグリの仲間は、上翅を立てずに後翅を広げて飛ぶことができる。
カナブン
東京都八王子市 2011.7.27
本種と同様に身近な甲虫の代表であるコガネムシとは、頭部が四角いこと、体全体に丸みがないこと、茶色っぽい個体が多い(コガネムシは緑色)こと、光沢が弱いことなどで見分けられる。
カナブン
東京都八王子市 2009.7.29
カナブン
大阪府四條畷市 2004.7.6
オオスズメバチやアオカナブンといっしょに樹液をなめる。中央の3頭がカナブンで、右側の3頭(折り重なっているためうち1頭は見えにくい)がアオカナブン。
カナブン
山梨県甲州市 2012.7.18
カナブンの幼虫。乳白色で、頭部は赤褐色。腹部末端部が太い。茶褐色の微毛におおわれる。終令幼虫の体長は、約40mm。
雑木林の林内や林縁の地中に生息し、石や朽木をひっくり返すと見つかることがある。地表に出すと、仰向けになって移動する。
腐葉土などを食べて育つと思われる。幼虫で越冬し、地中で土繭をつくって蛹化する。
写真の個体は、石の下につくられたアリの巣のそばで見つかった。
カナブンの幼虫
奈良県奈良市 2016.3.2
カナブンの幼虫
奈良県奈良市 2016.3.2
カナブンの幼虫
奈良県奈良市 2016.3.2
カナブンの幼虫
奈良県奈良市 2016.3.2
飼育していた幼虫が土中でつくった土繭。
カナブンの土繭
繭 : 飼育個体(奈良県奈良市産) 2016.6.4
土繭を割ってみると、すでに羽化しており、新成虫が出てきた。
カナブンの土繭と新成虫
飼育個体(奈良県奈良市産) 2016.6.4
カナブンの土繭と新成虫
飼育個体(奈良県奈良市産) 2016.6.4